占いが当たったからといって、その鑑定が良い鑑定だったとは限りません。
これは、37,000件以上の鑑定に携わってきた私が、今も大切にしている考え方です。
もちろん、占い師にとって的中させる技術は重要です。占術の理論を正しく理解し、精度を高める努力を怠ってよいわけではありません。
しかし、たとえ占いが当たったとしても、その言葉によって相談者が必要以上に不安を抱えたり、自分で判断する力を失ってしまったりするのであれば、果たして良い鑑定だったと言えるのでしょうか。
私は、占いの価値は的中率だけでは測れないと考えています。
当てることと、相談者の人生を大切にすること
例えば、恋愛相談で「この人とは別れることになる」と伝え、その後、本当に別れたとします。
結果だけを見れば、占いは当たったのかもしれません。
しかし、その言葉を聞いた相談者が相手を疑い始め、自ら関係を壊してしまったとしたらどうでしょうか。
占い師の言葉は、時に相談者の行動や人生の選択に大きな影響を与えます。
だからこそ、鑑定結果をどのように伝えるかということにも責任があります。
私は、厳しい見立てを伝えてはいけないとは思いません。むしろ、相談者にとって耳の痛い内容であっても、占術上そう判断するのであれば、誠実にお伝えする必要があります。
ただし、未来を決めつけたり、恐怖によって行動を縛ったりすることは違います。
占い師の役割は、相談者の人生を支配することではないのです。
37,000件以上の鑑定から学んだこと
多くの方を鑑定してきたからこそ、改めて感じることがあります。
それは、同じ悩みであっても、その人にとっての意味はまったく異なるということです。
例えば、転職の相談。
収入を増やしたい方もいれば、家族との時間を大切にしたい方もいます。今の職場から離れたい方もいれば、仕事そのものは好きでも、人間関係に悩んでいる方もいます。
表面的には同じ「転職したい」という相談でも、求めている答えは一人ひとり違うのです。
占い師が自分の経験や価値観だけで判断してしまえば、相談者の本当の思いを見失ってしまいます。
私自身も、学びを重ねる中で、自分の考えを相談者に重ね合わせてはいけないと改めて教えられる機会がありました。
経験を積むほど、自分の判断に自信を持つことはあるでしょう。
しかし、その自信が思い込みになってはいけません。
相談者の話を丁寧に聞き、占術の理論に基づいて判断し、自分の意見と占術上の見立てを混同しない。
その基本を、これからも大切にしていきたいと思っています。
信頼できる占い師を見極めるために
占い師を選ぶ際、口コミや的中したという評判を参考にする方は多いでしょう。
それも一つの判断材料ですが、私は鑑定の姿勢にも目を向けていただきたいと思います。
相談内容をきちんと聞いてくれるか。
占術上の見立てを分かりやすく説明してくれるか。
不安を必要以上に煽らず、相談者自身の意思を尊重してくれるか。
特に大切なのは、鑑定を受けた後に、自分で考えられる状態になっているかということです。
「先生に聞かなければ何も決められない」
そうした関係をつくることが、良い占い師の仕事だとは思いません。
鑑定を通して考えが整理され、自分の意思で次の一歩を踏み出せる。
私は、そのような鑑定に価値があると考えています。
占い師として、学び続ける理由
37,000件以上の鑑定経験があるからといって、私の鑑定が完成したわけではありません。
四柱推命をはじめ、占術の世界は非常に奥深く、学べば学ぶほど自分の未熟さに気づかされます。
だからこそ、師匠から学び、書物を読み、理論を確かめ続けることが必要なのです。
占い師が学び続けるのは、自分の知識を誇るためではありません。
目の前の相談者に、より誠実な鑑定を届けるためです。
私が目指しているのは、相談者にとって絶対的な存在になることではありません。
迷ったときに自分の人生を見つめ直し、納得できる選択をするための手助けができる占い師です。
そして、いつの日か相談者が占いを必要としなくなり、自分の意思で人生を歩んでいけるようになったとしたら。
それもまた、占い師として喜ばしいことだと思っています。
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